忙中ニコマスあり

アイドルマスター徒然

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
( --/--/-- --:-- ) Category スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

コミックマーケット76 新刊サンプルテキスト公開 

来る8/16(日)
コミックマーケット76 3日目
東ホール レ11a 「鷹姉妹探偵社」 
にて、

かがたけP/あいぜん でお送りする、

『またアイマしょう、おねえさん』
文庫サイズ 98ページ オフセットカラーカバー付 頒布価格;500円



そのお試し版を公開します。だいたいこんなノリだとご理解いただければ。





 始まりは、少し早めの時間の会議室での一幕から。

「朝から社長に呼ばれているわけですけれど、なんなんでしょうかねー」


 私こと天海春香は、アイドルなぞを生業にせんとするどこにでもいる普通の16歳である。

 歌うことが好き、という初期衝動がいつの間にやらこの「765プロ」のアイドル候補生募集のチラシを持って事務所の扉を叩いており、紆余曲折を経て運よくデビューと相成った。それから半年、発見と成長をモットーに日々邁進しているのであります。

「順当に考えるなら、今度のプロジェクトの話だな」

 隣に座っている人が、私の担当プロデューサーさん。事務所といってもそこまで規模は大きくないのでプロデューサーさんは私のマネージメントも兼務してくれている。確か入社4~5年って言ってたっけ。少し色が黒いのは、最近事務所が参画しているプロジェクトの為に海外(それも南の島!)に出張していたからである。その仕事はまだ継続しているという事を聞いていたので、アイドルとセットで呼び出される、ということは、もしかすると、もしかして! と思い至り俄然テンションがあがる。

「ですよねー! 海外キャンペーンですよ! 海外キャンペーン! ああ、英会話とか通った方がいいんですかね?」

「いやいや、前にも言ったと思うが……あの国は公用語が日本語だから問題ないぞ」

「ええっ! なんかそれって、海外に行った気がしないような……」

「それでも日本と違って世界的に影響力の高い国だ。うちの会社にとってプラスになるのは間違いない」

「そこって、確かお姫様がいるんですよね!」

 それも今の世の中においてとても象徴的な「お姫様」だ。戦争が終わってからというもの、政治のニュースでその人を見ない日はない、と言っても過言ではない。

「もしかしたらテレビ番組とかで対談とか!」

「会ったぞ」

「へ?」

「正確には『代表』な。この前の仕事はあの国の国策でもあったから、打合せは向こうの広報官も来るんだ。それだけかと思ったら代表がいらしった」

「うわー、うらやましいなあ。お姫様だから、ドレスとか着ていたんですかね?」

「ネコ耳」

「……は?」

「いやだからネコ耳つけたメイド服で顔真っ赤にしながら、『よ、ようこそいらっしゃいませお客様』って」

「あ、あの、その人国の代表なんですよね……?」

「面食らった俺を尻目に向こうの広報官は凄いしてやったりな顔をしていてな。恥ずかしさに耐えられなくなった代表は広報官を殴り飛ばした」

 な、なんだか想像をハルカに超えたテンカイについていけなくなってるんですけどぉ……。

「いっしょに付き添ってきたえらいイケメンの将校さんが代表をなだめて連れて帰ってその場は落ちついたんだが、そのあたりで俺はここがこういう国だと割り切った」

「な、なんか別の意味で不安になってきた気がしました……」

「こっちの商売的にもノリがいいことは悪くはないよ。現に仕事も成功したしな」

 なんだか思っていたよりも愉快なあの国の情勢はさておき、今回プロデューサーさんが出張してまで関わった仕事は業界でも好評だと、事務員として我が事務所を取り仕切ってくれている音無小鳥さんが教えてくれて、私にはそれが自分のことのように誇らしく、嬉しかった。

「俺は大したことはしてないよ。歌い手二人の素材も良かったし、あんなことをしでかすだけあって国がかりのイベントは手馴れたものですごい勉強になった。まあ、歴史が歴史だしな、平和な世の中の娯楽、というものを重んじる風潮なんだろう」

「平和の国、って言われるくらいですからね」

「ん。だから今回はアイドルの本場日本からの代表として、いい交流ができればいいなと思っている。歌ってくれた二人の内一人はそこに住んでいる人だから、紹介するよ」

「わあ、楽しみです!」

「それが面白い話があってさ、その人のお姉さんなんだけど……」

 何の話だろう。仕事を任されるプロデューサーさんは誇らしいけど、他のアイドルの女の子を担当するっていうのは、それでもちょっと気にならないでもない。ましてやさらに女の人の話とは、デリカシーがないなあ、とか思う自分勝手な私。

 と、会議室のドアが開いた。

「いやあ、遅くなって済まない。二人とも、揃っているね」

 現れたのは我が事務所の社長である。特徴としては……色黒である。たまに黒すぎて表情が見えないと勘違いする時がよくあるくらい黒い。

「おはようございます社長!」

「………」

 続けて聞こえるはずのプロデューサーさんの挨拶がない。

「うむ、元気があって結構。と、どうしたのかね君は。そんな鳩が豆鉄砲くらったような顔して」

 お辞儀していた顔をあげて隣を見やると、プロデューサーさんは社長の方を見て口をパクパクとあけ、あっけに取られていた。

「い、いえ。失礼しました。おはようございます社長。で、その……う、後ろの方は」

 ようやく絞り出した声には動揺が色濃く乗っている。問いかけるのは社長の後ろの方。……後ろの方? 慌てて社長に向き直るとそこには、

「わ、きれいな人……」

 自然とそんな声が自分から漏れていた。スーツ姿の女性が社長の後から会議室に入ってきていた。社長がいつもの定位置に座り。その隣にすっと座ったその人。そこを隣からひじで突かれた。

「口に出すんじゃありません」

「あわわ」

 それにしても、きれいだ。別段派手な服装ではない。この業界ではよく見るかっちりとしたタイプの女性が着こなすような普通のスーツだ。髪は黒く少し前髪に特徴的な癖っ毛がある。瞳は少し赤い。

「まったく落ち着きたまえ……。 オホン! 今日来てもらったのは他でもない。この度我社の命運をかけたプロジェクトを進めるにあたって、この方を紹介する為だ」

 それはいいのだが、プロデューサーさんの態度が気になる。その驚いている様は、あまりの美貌に言葉も出ないということだろうか? 

「はじめまして。有馬奈留(アリマ ナル)と申します」

 その上声まできれいな! 失礼な話私達アイドルでも持ち得ているかどうか疑問になるような透明感のある声が、控え目に、しかしてしっかりとこの事務所の会議室によく通った。

「有馬君は私の同業の友人がいる芸能事務所の腕利きのプロデューサーだ! 社運をかけたプロジェクトを万全にするためにも天海君! この機会に大きくステップアップしてほしい!」

「は、はいっ」

 社長はプロデューサーさんの方を向き、

「君には全体統括を任せたい。そして有馬君は主に楽曲プロデューサーとして指導をしてもらう!うんぬんかんぬん……聞いているのかね?」

 まだ驚きが隠せないプロデューサーさん。絶対におかしい……。そう思いながらもう一度有馬さんを見やると、まるでタイミングを計ったかのようににっこりと微笑み、こんな事を言った。

「よろしくね。ハルカ。あ、大丈夫だから」

 なんだかイメージと反して人懐っこそうな話し方をする人だ。

「へ?……大丈夫?」

「社長、早速で申し訳ないのですが……今回のプロデュースに向けて……」

 有馬さんはプロデューサーさんの方にも笑みを向けた。

「プロデューサー同士、最初のコンプライアンスを取りたいと思います」




                                   続きはコミケで!
( 2009/08/06 01:41 ) Category よしなしごと | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。