忙中ニコマスあり

アイドルマスター徒然

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一時間SSお題使用作品 

・外郎売り


「演技?」

 事務所に来るなりそう切り出した真に、プロデューサーは机の書類から目を離して顔を上げた。

「はい! なんというか、こう、ズバーンと一発で演技力が向上するレッスンをお願いします!」

「ああ、そうか明日っからレビューの稽古場入りか」

「途中参加ですし、ばしっと最初からキメたいと思いまして!」

「元気いっぱいだが根性はのび太くんだぞ、それ」

「うっ……」 「まあ、考えんでもない」

「や~りぃ!」

 拳を突き合わせて破顔した真をよそに、プロデューサーは給湯室の方へ声をかけた。

「雪歩ー」

「はいー」

 お茶の缶を持った雪歩が半分だけ顔を出した。

「これからのお前のレッスンに真を混ぜてやってもいいか」

「えっ、あっ、はい」

「真、雪歩と一緒に行ってみろ。これ持ってな」

 プロデューサーが机のファイルの中からプリントを取り出し、真に渡す。

「そと……げ、げろううり?」

「まあ大半の人間はそれを読めんから問題はない」





 真と雪歩はレッスンスタジオでそれぞれ同じプリントを持っていた。


「ういろううり……」

「そう、私もね、今度二時間ドラマに出ることになって、度胸を付けたいって言ったらプロデューサーがこれをやれって……」

「家で読み仮名つけてくるのも一苦労だった……後半は早口言葉だよねこれ」

「そう、すごく長いよね……すうっ 『茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶立ちょ、青竹茶筅でお茶ちゃっと立ちゃ』!」

「うわすごっ」

「えへへ、ここだけしかうまく出来なくて」

「あーお茶……」

「やってるかい」

「「あ、プロデューサー」

 果たして、プロデューサーがジャージ姿であらわれた。

(な、なんかプロデューサー気合い入ってない?)
(この前高槻さんが「ねっけつしどーを受けました!」ってこれのことなのかなあ)

「まず、言っておくことがある」

 思わず構える二人にプロデューサーは二人にとって衝撃の事実を告げた。

「ういろうはお菓子じゃないからな」

「……」
「……」

「「ええーーーーーっ!?」

「この反応が見たい為にこれを指導しているといってもよい」





「ういろーはいらっしゃいませぬかーーーーー!!!!!!」

「最後まで絶叫でどうするんだよ。これは『丸薬の売り文句』だという意味を考えてみなさい」

「売り文句……?」

「早口言葉を言えるようになるのは別段これでなくたってできるんだ。駅前で実演販売やってるだろ? ようはアレだよ」

「え、何ですかそれ」

「えっ」





「いっこいっこ言葉の意味を調べるのが面白いです~」

「そうそう、俺が考える外郎売りの使い方は『時代背景を背負ってやる外郎売り』だ」

「でもプロデューサーが見ていると恥ずかしくて……」

「oh……」



 帯に短したすきに長しが予想通りだったことにには密かに満足するプロデューサーであった。



外郎売り   了




企画元サイトはこちらです。→http://ss1hour.wiki.fc2.com//
( 2010/06/05 02:08 ) Category SS | TB(0) | CM(0)
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