忙中ニコマスあり

アイドルマスター徒然

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一時間SS参加作品 

・賽

「いち」

「……」

「でこちゃ~ん、1だよ~」

「い、言われなくてもわかってるわよ」






 外は雨。

 でかける予定はふいになったが、「暇だから」と美希は伊織の家に遊びに来ていた。

 伊織は自室にお茶の用意をさせ、たっぷりと楽しんだ後、リラックスした美希はふかふかのソファーに寝そべりだした。

 まあいつものことである。伊織はこの前美希が来た時に読みさしだった漫画を渡し、自分もファッション雑誌を手に取り、お気に入りの安楽椅子に座った。


 大きな窓から見渡す庭はしっとりとした細かい霧雨に包まれている。
 

「これなに?」

 ふと漫画から顔をあげた美希が、ソファー手前のテーブルに飾られた小物に興味を示した。

「それ? この前の情報番組で行った雑貨屋さんでね、ちょっといいかなって思ったから」
 
 ガラス製の小さな小鉢に入れられたのはた陶器のサイコロだった。

 指でつまめる程度の大きさのサイコロが10個ほど盛られている。
 
「へ~、ピンクと、きみどりだ」

「手でじゃらっとするのがいいのよ」

「そうかな~」

「うぐっ」

「サイコロといえば、『何が出るかな?』なの!」

「ま、まあ国民的に有名なサイコロよね、それは」

「そうだ、でこちゃんでこちゃん、ミキ達もそれやろーよ!」

「は?」

「『何がでるかな?』」





『1 でこちゃんがうさちゃんになってミキが遊んであげる』


 (ううううう、うさちゃんになるって……どどど、どういう……ぷ、プレイじゃなくて遊びを)
 

  伊織は完全に退路を断たれていた。

 美希の用意した『何が出るかな』は、悪魔のごときお題が連ねていたからだ。


『2 でこちゃんがミキのおでこにちゅーしてくれる』


 (むしろ1で助かったというべきかしら)


『3 でこちゃんがにぎったおにぎりをミキがたべる』


 (食欲にシフトしているわ……)


『4 でこちゃんのおっきなベッドでいっしょにねる』


 (そして睡眠欲)


『5 でこちゃんのムフフなお話略してデフ』


 (略しすぎでしょっ!)


『6 でこちゃんの言うことをなんでもミキが聞く』


 (……これがよかったなあ。……いやいやいやいや!)


 賽は投げられてしまった。
 いや、じゃんけんでどっちが先にやるかを決めた時にはもう勝負は決していたのかもしれない。


「わ、わかったわよ……」

「やったー! うさちゃんうさちゃん!」

 だって、

「ちょ、そんな力いっぱい抱きしめな、ふわっ」

 
 思考が途切れて、


「んふふー、うさちゃんはかわいいねーなでなでなで~」


 ゲームなんか、関係なくなる。





 外はしっとりとした細かい霧雨。
 
 鳥の一羽も蝶の一匹も窓辺に寄らないことに、伊織は安堵して美希の甘い香りに身を委ねた。
 


賽   了



企画元サイトはこちらです→http://ss1hour.wiki.fc2.com//
( 2010/05/28 23:42 ) Category SS | TB(0) | CM(2)
にやにやが止まらない……人をにやにやさせるのに文字数や余計な仕掛けは必要ないという極みのような作品ありがとうございます!これから一枚絵参加作品も読ませていただきます。
[ 2010/05/31 06:15 ] [ 編集 ]
>かるーあP

いおみきはどちらかというとひたすら消費していたいのですが^^; 頭の糖分が足りない為に自家栽培に走りましたw
[ 2010/06/01 00:34 ] [ 編集 ]
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